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저녁하늘(夕暮れの空)

はっきり言って負けは負けでも判定負けが一番悔しい。RSCとかKOならば多少は納得できるのだろうが、判定となるとあの時もっとああしておけばと後悔はある。そんな気持ちと裏腹に試合の応援にに来てくれた友人たちは楽しそうだ。でもその試合の後は迂回して海岸線をはしってかえってくれた。時はもう夕暮れ、80年代に流行った曲をかけながらハワイの海岸線沿いをはしる、海岸線からハワイの저녁하늘(夕暮れの空)を見ていると心がおちついて、自分が負けたことなどどうでもよくなってくる。

「Carpe diem」と言う私の好きな言葉がある。これは私の監督が言っていたことでラテン語の詩人ホラティウスの詩の一文、直訳すると「その日を摘め」違う日本語訳ではその日を精一杯生きろである。 私は時々クラブの若い会員に若い人の涙はこやしになるし、恥ずかしい思いをすることは貴重なことだと言う。失敗してもいいし、負けてもいい、どうであってもすべてのことを受け入れることができるように精一杯生きると言うことにその日を生きる意味がある。 問題は判定かと言うことではない、自分がそこで一生懸命、力を出せたか、そしてそのための準備をしたかということで、本当に満足できる競技人生はその積み重ねの結果ではないかと思う。勝ち負けだけにこだわっていたら成長などするはずはない。そのことをふとハワイの空を見上げて思った。ドイツの詩人ヘルマンヘッセはこういう言葉を残している

「鳥は卵から出ようともがく。卵は世界だ。生まれようとする者はひとつの世界を壊さなければならない。」

ドイツ語 "Der Vogel kämpft sich aus dem Ei. Das Ei ist die Welt. Wer geboren werden will, muss eine Welt zerstören."

英語 "The bird fights its way out of the egg. The egg is the world. Whoever will be born must destroy a world."

失敗や挫折とも思えることも実は後になって考えてみたらその自分の小さな世界をこわすひとつのきっかけである。失敗は成功とはいえないが、しかしそれらのことは人間特に若い人たちを成長させるこやしだと思う。


参考文献 ヘルマンヘッセ「詩集」

 
 
 

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