子供のボクシングトレーニングに関して
- ホームページ管理人
- 7月1日
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MOBでは絶対に小中学生にコンタクトトレーニングはさせない。理由は15歳までの頭蓋骨は発達段階でそこに衝撃をくわえると危険であるからだ。少し古いが、アメリカとカナダの小児科の団体による共同声明がある。英語のものからの抜粋であるが"Thousands of boys and girls younger than 19 years participate in boxing in North America. Although boxing provides benefits for participants, including exercise, self-discipline, and self-confidence, the sport of boxing encourages and rewards deliberate blows to the head and face. Participants in boxing are at risk of head, face, and neck injuries, including chronic and even fatal neurologic injuries. Concussions are one of the most common injuries that occur with boxing. Because of the risk of head and facial injuries, the American Academy of Pediatrics and the Canadian Paediatric Society oppose boxing as a sport for children and adolescents. These organizations recommend that physicians vigorously oppose boxing in youth and encourage patients to participate in alternative sports in which intentional head blows are not central to the sport."
「北米では19歳以下の少年少女が何千人もボクシングに参加しています。ボクシングは、運動、自己鍛錬、自信など、参加者に利益をもたらしますが、ボクシングは、頭や顔面への意図的な打撃を奨励し、その応酬があります。ボクシングの参加者は、慢性的で致命的な神経学的損傷も含め、頭部、顔面、頸部の損傷の危険にさらされています。脳震盪はボクシングで最もよく起こる傷害の一つであり、頭部や顔面を負傷するリスクがあるため、米国小児科学会とカナダ小児科学会は、ボクシングを子供や青少年のスポーツとして行うことに反対しています。これらの団体は、青少年へのボクシングに強く反対し、意図的に頭部に打撃をあたえるスポーツにかわって、他のスポーツに参加するよう患者に勧めるよう医師に勧告しています。」
ボクシングは危険なスポーツだ。実際イギリスのBBCは2023年に19歳、2024年に23歳のアマチュアボクサーが脳のダメージで死亡していることを報告しているが、頭をたたくというのは非常にデリケートな問題で、それは子供であればなおさらのこと、さらに「ボクシング廃止論」と言う論文によると、ボクシングだけが相手にダメージを与えること(頭部への攻撃)が目的で、このことがほかのスポーツとの大きな違いであり、そこを問題視していることはさらにボクシングがほかのスポーツに比べて危険だということが理解できる。ボクシングは危険だ。そしてそのアクシデントは一瞬で夢や可能性をうばうスポーツであることを理解しなくてはならないだろう。子供にたいして、あぶなくなったらとめる、軽くたたいているとか、私が一番アホだと思うのは競技させるのは本人の希望、何を基準に言っているのかわからないが、そういうことをさせる親は、その危険性についてよくわからないのだから、こちらからその危険性について説明しなくてはいけない責任があると思う。しかしそれを自己責任とか言って責任を相手に一方的に押し付けるのは非常に無責任だ。自己責任にはアカウンタビリティがともなう。これができない人間は責任者の資格なし、本当にバカだと思う。MOBでは高校生からコンタクトトレーニングができるが、会員が親以外は保護者にきちんと死亡例などをあげて説明し、親の承諾を得てからしてもらうようにしている。もちろんけががないように最大の注意をはらってはいるが、しかし我々には競技する子供や保護者にボクシングの危険性を説明する義務がある。脳へのダメージは今どうという短いスパンではなく、長期的にその安全性について問題視する必要がある。ジムの管理者に必要なことはボクシングの技術的なことが誰よりも分かると言うことではない、トレーナーには必要かもしれないが、大事なことはこのように子供にコンタクトトレーニングをさせていいのかと問われた時に、ひとつ上の次元でそれを解釈し、判断できる能力だ。USAのオリンピックのコーチングの本は約3分の1がケガに対すす対処と予防であるが、管理者は危険だと言われているボクシングにおいて競技者を保護する責任と義務があると思う。
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