楳図かずお
- ホームページ管理人
- 2024年3月9日
- 読了時間: 2分
ブログの記事、何を書こうかなと思っていたのですが、オーナーが漫画の事を書いたらと言うので、試しに書いてみます。
楳図かずおを読んだことがないが興味がある、何を読めばいいか教えてほしい、という方がいたら、私は以下の作品をお勧めします。
「わたしは真悟」、「漂流教室」、「神の左手悪魔の右手」、「14歳」です。いずれも楳図かずお後期の作品群です。どれも刺激の強い作品ですので、「神の左手悪魔の右手」はR18指定、他3作品はR15指定と(私が)します。では一つずつ紹介していきます。
「わたしは真悟」は、お父さんが工場に勤める庶民の小学生・悟と、お父さんが外交官の上流階級小学生・まりんが、悟のお父さんの勤務する工場の工作機械にプログラミングを行い、とある儀式を行ったことで、工作機械が自我を持つという物語です。楳図かずおの作品のテーマの一つである子供時代の終わりや、有名小説(「アルジャーノンに花束を」「時計仕掛けのオレンジ」など)から着想を得たであろうストーリーの数々、結末へと向かう工作機械の旅路など、楳図かずおの美しい世界観が堪能できます。
「漂流教室」は有名すぎるので省略しますが、現代は連載不可能なんじゃないかという表現が目白押しな上、感動作に仕上がっています。
「神の左手悪魔の右手」はホラー度MAX、最恐スプラッターホラー漫画です。癒す力の左手と、倒す力の右手をもつ子供、想(そう)が、自分の周囲にいる人に襲い掛かる恐ろしい怪物を倒していく話です。が、創作された怪物の恐ろしさがエグすぎます。スプラッター描写もエグすぎます。映画では表現不可能なシーンが緻密なタッチで描かれているので、最後まで読み進められない方も沢山いると思います。反面、極上のホラーを求めている方には最高の作品です。日本のホラー漫画の中で一番怖い漫画は何かと聞かれたら、私は迷わずこの作品を選びます。
「14歳」は楳図かずおが連載した最後の作品です。食用の鶏肉を培養する工場で突然変異的に生まれた高い知能を持つチキンジョージが人類と敵対します。一方、妊娠してしまった女子中学生ヨッコが不安にかられて占いに行くと、占い師から出て来た何かが「14歳で終わる」と予言します。それから物語は地球の終末に向かっていきます。
ディストピアと化した地球、子供時代の終わり、恐怖描写に美しい挿絵と、楳図かずおの世界にどっぷり浸れます。
楳図かずおは著書「恐怖への招待」の中で、他の作品の影響を受けないために、漫画も映画も一切見ないと書いていました。その発言の通り、唯一無二の世界観で、楳図かずおの作品は今後も名作として残り続けると思います。
Comments