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怒羅権創設者の半生と反省「怒羅権と私」

 作者は創設期メンバーの汪楠さんです。以下、概要です。


 筆者は14歳の時に、中国残留孤児である父に連れられて日本にやってきます。家庭の混乱と貧困、いじめにより、似た境遇のメンバーで集まって怒羅権を結成しました。当初はみんなで集まってパンの耳を買って食べたり、互いを守りあったりの集団でしたが、段々暴力的な組織に変質していきます。その後、汪さんは暴力団に入るも破門となり、刑務所に入ります。


 犯罪を犯した人の本なので、紹介するのが適切なのか迷いましたが、内容が面白かったことと、読んで学ぶこともあったので紹介します。

 汪さんは14歳まで中国で暮らしていたのに、父の都合で突然日本に連れてこられたことに怒りを感じていました。文化も言葉も違う日本に突然連れてこられた事への戸惑いは大きかったと思いますし、何より本人が望んだことではなかったので、相当苦労したと思います。

 加えて家庭は荒れ、お金は無く、ひもじい思いをしていたと言います。また、差別も受けたと語っています。

 汪さんは自身の起こした暴力的な事件の内容も語っていますが、とても凄惨です。加えて売春のあっせんや強盗をした事も書いています。ですが、刑務所に入って、出所して、やっと自分の行いが「父への怒りを関係のない周囲の人に向けていただけだった。恥ずかしい」と語ります。また過去を振り返って、中国残留孤児の子という「属性」ではなく、一人の人間として見てほしかったと語っています。


 一通り読んで思った事ですが、まず、人間をその属性ではなく、一人の人間として見てほしいというのはその通りだと思いますし、私はそうしようと思います。

 加えて、「父への怒りを関係のない周囲の人に向けていただけだった。恥ずかしい」というのも、きっと心からの言葉だと思います。

 しかしそれまで、常に暴力や犯罪によって生きて来たことで、だいぶ感覚がずれてしまっていると思いました。これから更生するにしても、その感覚のずれを修正していく道のりは、長く困難なものになるだろうと思いました。

 
 
 

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